経営119番
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知恵のあるなしで「倒産」はこれだけ違う

4.倒産もタダではできない


 企業の葬式(破産)を出すにもお金がかかることをご存知でしょうか。任意整理を選び自分で行う場合は無料ですが、これといった経験もない中小企業の社長が銀行や街の金融会社に交渉に行き、話をまとめるというのはまず不可能でしょう。そこで経験のある経営コンサルタントに依頼することになります。その場合は内容に応じた報酬が求められます。

 また弁護士に依頼した場合は、まず弁護士の費用が必要です。弁護士にとっては、上申書の作成や膨大な書類を整えなくてはなりません。複雑で面倒な仕事に長期間関わることになりますから、弁護費用は倒産の手続きを受けるかどうかの重要なポイントになります。

 法的整理に入る場合には、負債総額5000万円未満ならば200万円、5000万円以上1億円未満ならば300万円が必要です。(別表)  そのお金が管財人の費用となるからです。

 こうした現金に加えて、弁護士費用として手付金や手続きの実費、成功報酬などが必要になります。もしこれらの費用が残っていないと、弁護士は相手にもしてくれません。

 このように考えると、倒産のための費用を用意していないというのは「ダメな倒産」の見本のようなものだと言えます。借金の返済で鼻血も出ないというのは一見誠実な姿のようですが、関係者の誰もが困るやっかいな姿ともいえるのです。


別表:

東京地方裁判所の予納金基準表(破産)

負債額
個人
法人
同時廃止 2万円  
5000万円未満 50万円 70万円
5000万円以上1億円未満 80万円 100万円
1億円以上5億円未満 150万円 200万円
5億円以上10億円未満 250万円 300万円
10億円以上50億円未満 400万円 400万円
50億円以上100億円未満 500万円 500万円
100億円以上250億円未満 700万円 700万円
250億円以上500億円未満 800万円 800万円
500億円以上1000億円未満 1000万円 万円
1000億円以上 1000万円以上 1000万円以上

 

東京地方裁判所の予納金基準表(和議)

負債総額
予納金
5000万円未満 200万円
5000万円以上1億円未満 300万円
1億円以上10億円未満 500万円
10億円以上50億円未満 600万円
50億円以上100億円未満 700万円〜800万円
100億円以上250億円未満 900万円〜1000万円
250億円以上500億円未満 1000万円〜1100万円
500億円以上1000億円未満 1200万円〜1300万円
1000億円以上 1300万円以上

 

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